大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和39年(ワ)5106号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕被告は自動車買収に関する事務一切の処理を原告から委託された以上、この事務の処理を更に第三者に委託するについて原告の承諾が有るか、又はこれを不可避とする特別の事由があるのでない限り、被告自ら事務の処理に当るべきものであることは民法第百四条、第百五条及第六百四十四条の規定の趣旨に照し疑を容れないところである。然るに被告は先に認定した通り南雲の説明を裏付けるに足る格別の調査をすることもなく原告から委託された事務の処理一切を漫然右訴外人に再委託したものであり、且右再委託をするについて原告の承諾が有つたこと又はこれを不可避とする特別の事由があつたことについては何等の立証もないのであるから、被告は受任者として負うべき善良な管理者の注意義務を尽したものとは謂うことができず、従つて被告が南雲を選任して同人に事務処理の再委託をしたこと及同人に対する監督について原告に対し過失責任を負うだけに止まらず、若し南雲の故意又は過失によつて原告に損害を及ぼした場合には原告に対し右の損害の賠償をすべき義務があるものと謂はなければならない。(平賀健太)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!